ウィルだよ!

ウィルだよ!

2014年12月30日火曜日

皆さん、良いお年を!

本日、今年の診療を無事終わらすことができました。
今年は私にとって、とても大きい変化の年でしたが、
ここまでやってこられたのは、支えてくださった皆さんのおかげです。
本当に、ありがとうございました。

今年の最後は、本のご紹介で締めたいと思います。
私は現在、日本獣医中医薬学院の研究科に在籍していますが、以前同級生の先生に素晴らしい本を紹介していただいたので、こちらで書かせていただきます。

エリザベス・キューブラー・ロス著
「死ぬ瞬間」と死後の生

という本です。
タイトルだけ見ると、少しとっつきにくい印象かもしれませんが、
内容は「死」というものを通して、「どう生きるか」という「生」について、
わかりやすい言葉で書かれています。
大事なことがあちこちに書かれているので、全て横に線を引きながら読みました。

その中でも特に私の心に残った部分を抜粋します。

「人生のただひとつの目的は、精神的に成長するということです」

「限りある命をどう生きたかということに関しては、全部自分に、自分だけに責任があります」

「私たちが何をするかは重要ではないということもわかります。ただひとつ重要なことは、やるべきことをいかにやるかです。そして大事なことは、愛をもってそれをやるということです」

「われわれ人間は、理解できないものには何でもレッテルをはらないと気がすまない習性があります、私たちの知らないことは、まだたくさんあります。だからといって、それらが存在していないということにはなりません」

「もし皆さん(治療家を指して)が世の中を癒したいのなら、まずこのことを理解してください。自分自身を癒さないかぎり、世の中を癒すことはできません」


この筆者は末期患者と向き合う医師で、その体験を世界の治療家に向けて講演していました。
この本には動物のことは一切出てきませんが、私は読んでいて、これは動物にも通じることがたくさんあるぞ、と感じたのでした。
そして、治療家である獣医師にとっても、大切なこと(自分自身を癒さない限り〜の部分)を教えてくれます。

この本では、死の準備ができている患者を、この世に留めているのはまわりの人間だと語られています。
 「死」というものを意識し、受け入れられた患者たちは、例えどんなに小さい子供でも、大人より多くのこと悟り、自分の人生を全うしようとするということです。

私たちは、ふだん「死」ということをあまり気にかけません。
でもそれは誰にでもやってくるものです。
人と一緒に暮らしている動物は、私たちのもとにやってきてから、長くてもだいたい20年もすれば先に死んでいきます。
私たちは、そこから、多くのことを学べると思うのです。
特に動物は、目の前の「生」に一生懸命です。精一杯生きて、病気も死も、静かに受け入れます。
今日一緒に元気に過ごせても、明日は違うかもしれない。
そう思うと、今日この日を、とても大事にできる気がしませんか。

動物と暮らすということは、私たちがどう生きるかということと密接に関わっていると思うのです。
そして、鍼灸治療のもとになっている中医学(中国医学)は、自分と向き合う、丁寧に生きるということに関して、勉強していてとても考えさせられる分野です。

そんなことを考えながら、今年は過ごしてきました
来年も、謙虚な心を忘れず、毎日を大切にしながら、患者さん、飼い主さんと向き合っていきたいと思っております。

来年も、どうぞよろしくお願いいたします。









2014年12月22日月曜日

鍼灸は魔法ではないけれど

先日、昔お世話になったドッグトレーナーの先生のわんこたちに鍼灸治療をさせていただく機会がありました。
先生のHPはこちらをご覧ください↓
http://www.wanlove.com/

かれこれ9年前くらいですが、私も愛犬ウィルとともに先生にお家に来ていただいて、一緒にしつけを習っていたのでした。
当時のウィルの先輩たち、今では12歳と13歳の先生のわんこたちですが、
フレンチブルドッグのネロさんが、突然立てなくなったということで、急きょ往診に行かせていただきました。

その時のお写真を先生のfacebookからお借りして載せさせていただきます☆
鍼灸の様子がよくわかりますね~

フレンチブルドッグのネロさん。
鍼を刺しています。痛くないよ。




















お灸の様子です。
背中のフォルムが可愛い(笑)



















ゴールデンレトリーバーのジョジョさん。
鍼の太さも、その子の状態に合わせて選んでいきます。


















日々運動を欠かさなかった身体は締まっていて、13歳とは思えない力強さ!



















気持ちよさそうなお顔*^^*




















施術後、ネロさんは腰の位置が高くなって、次の日には河原のお散歩にも行けたということです!
嬉しいご報告でした^^
さっそくまた来月も、ご予約をいただきました。ありがとうございます。

トレーナーの先生と、これからの獣医療についてもいろいろとお話をさせていただきました。

鍼灸治療は、獣医の中にも「あんなの治療じゃないよ」と鼻で笑う人がいるような分野です。

では、その人たちが、立てなくなった犬たちに何ができたかというと、痛みどめを処方するか、「精密検査をしたら何かわかるかもしれないけど、治療法はないかもしれない」と飼い主さんに引導を渡すことくらいです。
なぜ引導を渡すという言い方をするかというと、鍼灸治療をご希望される飼い主さんたちが、すっかり意気消沈してしまっているからです。

精密検査や、特殊な外科手術、確かに必要なことです。私も、原因をはっきり突き止める方が良い場合、おすすめすることがあります。

ただ、最近の獣医療が、獣医や病院のためのものになっているような気がしてしまうのも事実です。

高額な検査をして、はっきり原因がわかりませんでした、というようなただ動物が消耗してしまうことを繰り返してしまって、飼い主さんも金銭的に追い込まれてしまう、それって、幸せなことでしょうか。
大抵、飼い主さんは「よくわからないうちに、よくわからない病気や怪我の検査をしていた」とか「よくわからないうちに亡くなってしまった」という状態です。

もちろん、動物病院はボランティアではありませんから、利益を出していかなれば続けていけません。

しかし、私が思うのは、人の医療と、獣医療は根本的に違うのではないかということです。

獣医療は分野的には「サービス業」です。

極端な言い方をすれば、「ペットという趣味」にお金をかけている、その一部が動物病院です。自分で言ってなんだか気分が悪くなりますが(笑)、現実はそうなのだと思います。

何故なら、生活していく上で、人の生活が経済的に窮屈になるようなら、ペットは飼ってはいけないと思うし、やはり人が生きていくのが先、だと思うからです。

もちろん、私も自分の愛犬ウィルを家族と思い大事にしています。できる限りのことはしてあげたいと思うし、私が診させていただいている患者さん達も、ご家族から家族の一員として本当に大切にされています。

だからこそ、本来の目的…おそらく、多くの皆さんがどうぶつをお家に迎える時に思っていた「きっと楽しいぞ」という気持ちを最期まで維持できるような、そんな獣医療が必要だと思うのです。

それが、私が「動物が本来持っている生命力を引き出す」鍼灸治療を行っていきたい理由でもあります。薬も、使ってもできるだけ少ない量で維持できるようにしてあげたい。

飼い主さんが、「うちの子は持病はあるけど(または、歳だけど)元気だよね」と笑顔で言えるような状態を目指しています。

そして、病院側のことばかりではなく、現在の日本のペット事情は、簡単に動物を売りつけるペットショップや悪質なブリーダーはもちろんのこと、飼い主さん側にも責任があると私は思います。

動物をお家に迎える上で、その動物のことをどれだけ勉強しましたか?
犬なら、例えばその犬種がどんな仕事をする犬だったか知っていますか?それが、その子の性格や問題行動に繋がってくるかもしれません。
どれだけお金がかかるか、どんな病気になる可能性があるか、知ろうとしましたか?
毎日どれだけの犬や猫が殺処分されているか、知っていますか?

最初に全て知らなくても良いのです。ただ、飼い主さんの中にも「こんなはずじゃなかった」があまりにも多いような気がしてしまうのです。その子の病気や、飲んでいる薬について、病院任せにせず、積極的に聞いてみましょう。

まず、自分のペットについて、より知ろうとすることです。そこからです。

どうぶつと暮らすということは、楽しいだけではない。
責任もお金も必要です。
でも、それがあるからこそ、絆が生まれ、感動が増し、私たちの人生をより豊かにしてくれる存在だと思います。

てなことを、ワカゾウなりに考えてみました。


2014年12月15日月曜日

準備は順調です

ご無沙汰してしまいました!

今日はクリニックの内装の床や壁のクロスを決めました。
大型犬でも滑らないような床にこだわっています^^

















↑たくさんの種類のサンプルの中から、これだ!と思うものを選んでいきます。
動物病院のデザイン・内装も数多く請け負っている業者さんなので、
迷ったときは、業者さんの意見を聞きます。

チラシは手作りのため、イラストレーター(様々なデザインに使われるソフトです。)と生まれて初めて格闘しています。。がんばれ、私!やってやれないことはない!


底冷えする日が続いていますが、皆さん、体調は崩されていないでしょうか?

どうぶつたちも、お腹を壊したり、肢の運びが重くなったりする季節です。

我が家の愛犬ウィル君はスイス原産の犬なので、寒いのは大好き!なのですが、
ときどきとぐろを巻いて寝ているのを見ると、
「あ、寒いのはやっぱり寒いんだな」なんて思います(笑)
背中にも白髪が増えてきました。
そのうちグレートピレニーズになるのかしら。
(わからない方はググってみてください。バーニーズと顔が似てるんです。笑)

ウィルは車に乗るのが好きなので、ときどきお散歩時に少し離れた公園まで車で連れて行ってあげます。
心のウキウキってお年寄りワンコにとっても良いのです!
頭の刺激になりますからね。
枯葉をゴソゴソ、クンクンしたり、土の上を少し軽快な歩調で歩いたり。













楽しいね♪



準備は全体的に順調ですが、私自身の方は、ややスローダウン気味。
元気に師走を乗り切れるように、また、2月を迎えられるように、
ウィルともども毎日を大切に過ごしていきたいと思っております。

次の更新は、きっと早くできるはず!













2014年12月1日月曜日

内装始動!

12月になりましたね!

12月という響きに気持ちがややあたふたしております(笑)

先週から、クリニックの内装が始まりました。























配線とかいろいろぶら下がってます。

ここからどうなるかお楽しみです*^ ^*
「鍼灸室」もできる予定です♪

現在の名刺の裏に簡単に地図を入れようと思って作ってみました。
地元の人ならわかる、地元でない人にはごめんなさい、な超略図ですが、


















なんとなく駅から近そうね、ということが伝われば良いです(笑)


先日は、夫婦で青梅の御岳山に行ってきました。
今回はウィルくんはお留守番でしたが、御岳山は犬連れでも楽しめるので結構有名です!

ウィルも歳をとったので、あの勾配はもうキツイと思いますが、
3年前には一緒にケーブルカーに乗って「おいぬさま」が祀られている山頂の神社にお参りしました。



↑3年前の様子。あのころは、ウィルも私も(?!)階段とか急勾配とか何のそのでしたね・・


今回も、ウィルの健康はもちろんのこと、診させていただいている患者さまのことも想って、
お参りしてきました。

師走ですし、なんとなくせわしなくなる12月です。皆さん、ご自身の体調もお気をつけて、
お元気でお過ごしください☆


2014年11月24日月曜日

棒灸って?!

だんだんと年末の空気が漂ってきましたね!
私は11月下旬からの季節が1番好きです。

今は、来春2月のクリニックオープンに向けて、少しずつ準備を進めています。
そのうちこのブログだけでなく、クリニックのホームページも作りますので、
またお知らせしていきますね~!


先日、老犬クリニックの獣医師の先生と、メディカルトリマーさん向けの「シニア犬セミナー」の講師をさせていただく機会がありました。

















メディカルトリマーさんって何かというと、皮膚や薬用シャンプーなどの勉強をして、一般のトリマーさんよりもより専門的な知識を持ってトリミングに当たっている方たちのこと。他にもアロマやマッサージなどを取り入れているところもあるようです。
そう言った一歩進んだトリマーさん向けに、シニア犬の基礎知識や、トリミングサロンで気を付ける病気のサインなどについてお話しするセミナーになりました。

実技のパートではお家でできる棒灸のやり方についても少しお話ししたのですが、
けっこう皆さんご興味があったようす!
きっとサロンでだけでなく、お家の子にやってあげたいのかなぁと思いました^^














上が温灸器、下が棒灸です。














セミナーのモデル犬として来てくれたシニア犬さんに棒灸のデモンストレーション。


棒灸は、艾(モグサ)を筒状に和紙などで巻いたもので、
皮膚に直接当てるのではなく、気持ち良い~という具合で皮膚から離してツボを温めるのに使います。
どうぶつだと、背骨に沿ってくるくる円を描くように5~10分当ててあげると
気持ちよさそうにじっとしてくれる子が多いですね。

お腹の方にもやってあげると、下痢をしやすい子などにも効果があります。
(やりすぎには注意しましょう!)

治療では、棒灸ではなく、モグサを小さくひねって灸点紙というシールの上に載せて燃やす方法を使います。
よく、「お灸をやって毛が燃えないの?!」とか、「暴れないの?!」と聞かれますが、
もちろん燃えないよう工夫していますし(笑)、たいていの子は、お灸をすると気持ちよさそうにじっとしてくれています。

鍼もお灸も強制的にやるものではありませんから、
患者さんも飼い主さんもできるだけリラックスしてもらえるようにしています^^

さて、今日は自分にもお灸をして寝ようかな!



2014年11月16日日曜日

建物紹介☆

クリニックが入る建物の外壁の工事が終わりました(^^)綺麗になりました〜!大家さんのご厚意でやっていただけました。ありがとうございます!





ちなみにピンクの車が停まっている所が駐車場です。3台分あります。真隣!お年寄りどうぶつ(特に老犬の大型犬とか…)が遠くから歩いて来なくても済むように近くにしています(^^)
なるべく段差なども少なくする予定です。

2階もテナントなのですが、まだ決まっていないようです。1階が動物病院だと、決まりづらくなったりするのかしら??

来週からいよいよ内装が始まります!
どんな風になるか楽しみです☆

住所:東京都羽村市五ノ神4-7-5-101
JR青梅線羽村駅近くのデニーズとミスタードーナツの間くらいです◎





2014年11月7日金曜日

やらない理由


人生での大きな決断をするときって、何を基準にするんでしょうか。
常識的に、とか
今まではこれが普通だったから、とか
親に言われるから、とか
そういう風に、自分以外の基準で何かを決めると、
後で絶対、後悔したり、人のせいにしたり、グチグチ言ったり、
そういう風にマイナスに転がっていくいように思います。

自分のために、自分のしたいことをするのは、自分勝手なのでしょうか。
もちろん、自分だけが得をすることはだめです。
お互いがウィンウィンになる関係が一番です。
でも、ウィンウィンだけが社会じゃない。
だから、「良い人」になって、自分がダメにされてはいけないと思うのです。
自分を守らないといけない。
周りの期待する理想的な人材になろうとして、息苦しくなって、自殺しちゃう人たちが多い。
周りなんてそんなに自分に期待してないよ。
悪口言ってたって、実はそんなに気にしてないよ。
良いこと言ってたって、いつも自分のこと考えてるわけじゃないんだから。
皆それなりに自分勝手に生きてるのに、ほんのちょっと自分たちと違うことをしている人を見ると、排除したがる。
他人から見た変人は一瞬にしてカリスマになれる可能性があるし、カリスマが一歩間違えると変人扱いされる可能性もある。
そんな風に、誰かから見た自分なんて、他人の幸せの基準なんて、本当に儚いものだと思うのです。

私は、開業するって決めたけど、弱気になると開業しない理由を考えてしまう。

まだ若いから
経験年数も他の先生より少ないから
強力なコネがないから
お金もないから

そのほかにもいろいろあったけど、
考えてみると、意外と少ないことに気づく。反対してるひとも、たぶん一握りしかいないだろう。

逆に開業する理由を考えてみる。

自分の良いと思う治療やサービスを患者さんに提供したい!
鍼灸をもっと多くの人に知ってもらって、どうぶつと人の助けになりたい!
自分らしく働きたい!
旦那さんと仕事の苦楽を共にしたい。
若いから伸び代もあるでしょう。
たくさんのひとに、応援していただいているから!

ほかにもいろいろ!
こっちの方が、だいぶ前向きなことばかりです。こっちの方が、だいぶ健康的です。
たぶん、今がそのタイミングなのでしょう。別に今じゃなくてもなんて、無いんだと思います。
チャンスの神様には前髪しかないってことは、中学生のころに教えていただきました。
だから、若ゾウだけど、その前髪を掴みに行こうと思います。
生きている年数が長いから、えらいわけではない。
生きている年数が長いほど味わいのある人に、自分はなりたいから、若いからとか、そういうことで縮こまらないようにしたいのです。

私は一握りの負のエネルギーよりも、大きなプラスの可能性に賭けます。


2014年11月4日火曜日

名前決定!!

こんにちは。少し間が空いてしまいました。
11月になりましたね!
来春2月のクリニックオープンに向けて、本格的に準備が始まりました。


と言っても、毎日できることなんて、限られていますからね。
この調子で私は大丈夫なのかしら…?^^;と思いつつ、
日々できることをコツコツやっていくしかないです。

さて、クリニックの名前が決まりましたので、発表します!

ウィルどうぶつクリニック

です(^^)
…今とあんまり変わってない?(笑)
「鍼灸院」も良いけど、クリニック前のベンチにおじいちゃんおばあちゃん(人の)が並んじゃうかもしれないよね(笑)ということで、クリニックに変更します!
どうぶつとの暮らしをホリスティックに(全体的に)よくしていきたいという想いもあります。

鍼灸や漢方、シニアの子たちのケア、ドッグトレーニング、病気の子のトリミングなどを積極的に行っていく予定です。
始まってみないとわからないことだらけですが、始めて続けていればきっと何か変わるだろう、変えていこう!と思うので、どうぶつにも人にも優しいクリニックを目指して!がんばっていきます(^^)





今は外壁の工事でブルーシートをかぶっていますが、開院予定の告知が貼り出されています!
こんな風に貼り出されるとなんだかドキドキしちゃいます。
お近くをお通りの際はチラッと「ここね〜」みたいに見ていただけると嬉しいです^^





2014年10月26日日曜日

雑誌に載りました☆

本日発売の雑誌「愛犬の友」11月号の老犬特集で、
私が老犬クリニックで鍼灸治療を行っているところが出ています^^


取材にいらしていた時はあまりちゃんとお話をする時間もなく、
治療をしながらの鍼灸についてのご説明になってしまいましたが、
こんなにページ数を割いていただけると思っていませんでした!
上手に編集してくださったライターさん、編集の方々に感謝です。

昨日もこの患者さまに施術させていただいたのですが、
いびきをかいて寝始めてくれました*^^*そういう姿を見るとなんだか私も幸せです。

よく「ハリって痛くないの?」とか「じっとしてるの?」と聞かれることがあります。
皆さんだいたい2、3回目くらいから慣れてきて、気持ち良さそうに背中を向けてくれます。
もちろん、普段からものすごく落ち着きのない子は、ご家族の方に支えてもらったりしないときちんとできませんが、痛くないのは大前提という気持ちでやらせていただいています。
身体も気持ちもリラックスしていないと、治療効果も上がりません。

今回このようになんだかすごい先生みたいに雑誌に載せていただいてしまいましたが^_^;、これからもお師匠様たちに近づけるように、精進していかないと!

がんばります(^^)

2014年10月20日月曜日

新聞に載りました

く18日の毎日新聞朝刊くらし面に、私が鍼灸治療を行っているところの写真が載りました!

老犬クリニックにて、整体と鍼灸を受けてくださっている患者さまに施術しているところ^^
中医学や鍼灸治療についての詳しい情報は、紙面の都合上載っていませんが、
治療の一環として鍼灸の写真を選んでくださって嬉しいです^^

記事には、犬の高齢期の行動や性格の変化や、対策の方法が載っています。
これほど大きく老犬について取り上げられるようになってきたとは、世間の関心の高まりを感じますね。

ただ、老犬についても、鍼灸についてもそうですが、
流行りだからと取り入れるのではなく、本当に患者さんと飼い主さんの力になれないといけないと思います。
技術をより高めて、患者さまたちの力になれるように精進していかなければ!

誤解や偏見がなくなっていくよう、私も中医学や鍼灸・漢方についてもっと発信していきたいと思います。

2014年10月16日木曜日

心から若く

台風が来たり、急に寒くなったり、なんだか落ち着かない感じの日々です。

先日、愛犬ウィルと一緒に大型犬の介護グッズも取り扱っている「アイアンバロン」さんに視察に行ってきました!
世田谷の、駒沢公園の近くです。

つけたまま寝られる介護用ハーネスや、担架にもなる介護用マットなどなど、使われている飼い主さんも「良いですよ〜」とお勧めだったので、本物を見たくて行ってきました。
残念ながらLサイズまでしかなく、でもせっかく来たのだからとハーネスを試着!




パツパツになってしまいましたが、本人はまんざらでもない様子(笑)
LLサイズも欲しいな〜とリクエストしてきました。
世の中の超大型犬の老犬たちはいったいどうやって生きているのかしら。
クリニックを開いた際には、飼い主さんと一緒に工夫しながら、その子にあった生活や治療を探していけたらいいなぁと思います。

この後、ウィル君9歳7ヶ月にして駒沢公園デビュー!

お出かけが大好きなウィルですが、やはり歳なのですぐに疲れます。
もうあんまり遠出はできなくなったけど、車に乗ったときのキラキラしたお顔を見ると、やっぱり歳でもドキドキワクワクは必要だな!と改めて思いました。
人もどうぶつも一緒ですね。ウキウキして、脳を活性化!
生きていれば大変なことや嫌なこともたくさんやってくるものですが、
いずれは皆死ぬのだから、せっかく生きている間は、人もどうぶつも納得して楽しく過ごしていきたいものです。

2014年10月9日木曜日

出張マコモ風呂♪

前回から少し間が空いてしまいました。

今日は、老犬クリニックで椎間板ヘルニアの患者さんの治療がありました。

前回も書いた通り、鍼灸治療の効果は飼い主様の信頼が大きく関係しているような気がします。

今回の患者さんは、こちらも驚くほど、一週間ごとの回復がめざましいのですが、
クリニックで鍼灸をするだけでなく、ご家族がお家でもリハビリをがんばってくださっているので、その成果が出ているのだと思います!
全く動かなかった後ろあしを、よいしょ、よいしょ、と使い始めてくれるのを見るのは、
私にとってもとても励みになります!(^^)
しっぽも元気に振れるようになりました。
今後の更なる回復を期待して、今日も一鍼入魂!でした。


さてさて、先日往診で、トリミングと薬浴をさせていただいたチョビちゃん(^◇^)
普段鍼灸治療をさせていただいています。
トリミングは、旦那さんの担当です。
出張薬浴なので、お風呂場をお借りして・・・


















この黒い液体は何だっ?!
・・・答えは、「マコモ風呂」です。

マコモとは、植物の真菰(まこも)からつくられる、発酵食品です。
お風呂には浴用のマコモ液を使います。

マコモのお風呂は、皮膚病を持っている子、内臓の病気を持っている子、いろんな子に有効です。
からだの中から毒素を出してくれます。
そして鍼灸もマコモも、アンチエイジングの効果があります。

チョビちゃんも、気持ちよさそうに浸かってくれていました☆

最近、お顔周りを触られるのがすっかり嫌になってしまっていたチョビちゃんですが、
楽しく♪明るく♪トリミングさせていただいたところ、少しずつ、やらせてくれるようになりました(^^)
その後の調子も、心身ともに良いようで、私たちもとても嬉しいです!

歳をとってくると、今まで大丈夫だったことが嫌になったり、性格が頑固になってきたりします。
「できるのが当たり前」と褒められることも自然と減ってきたりして、実はいじけていたなんてこともどうぶつ側から見たら、普通にあるのかもしれません。(人も大いにあるような…笑)
褒められることって、ほんとに大事。

人側のどうぶつに対する見方、接し方を少し変えるだけで、どうぶつとの暮らしはより良くなるものです。

そのお手伝いをしたいと思っております(^^)

ちなみに、我が家の愛犬ウィルも、
毎日マコモを飲んで、マコモ液の目薬をして、元気です☆

2014年9月30日火曜日

祝!一級獣医中医師!

やっと、一区切りです。




一昨日、日本獣医中医薬学院 本科の卒業式がありました。
無事、一級獣医中医師の資格を手に入れました!やったー(^◇^)

更に!総代での卒業となりました!嬉しくて涙が出ます。
これで少しは、学生の頃からお世話になっていたお師匠様たちに顔向けができるかな、
とちょっとホッとしています。

入学を決めたときは、職場の方達に迷惑をかけることもありました。その頃のスタッフの方々、申し訳ありません。

中医学という何ともわからないものを勉強しに行っていると、かなり風当たりの強いことも多く、馬鹿にされたり、嫌味を言われることもしばしばです。
「一般診療もろくにできないのに、鍼灸の勉強なんて」といつも誰かに言われているようで、劣等感や批判されることへの恐怖心で、いっぱいになるときもありました。

それでも、自分の決めた道を信じ、地味に勉強を続けてきて、得られた達成感はひとしおです。
そして私の背中を大きく押してくださったのは、鍼灸治療に応えてくれた患者さん、飼い主様たちでした。
お師匠様もおっしゃっていましたが、鍼灸治療の効果は、自分を信頼してもらえているかで差が出ると思います。おそらく、気が通じるかどうか、の問題なのかしら?と思いますが、
飼い主さまが私のことを、ちょっとでも信じてみようと思って鍼灸を真剣に受け入れてくださると、次の診療で、こちらが驚くくらいどうぶつたちの回復を喜んでくださることがあります。
そういうことに、救われてきました。

それから、この学院で他にも得られたことがあります。
それは、同級生の先生方とのつながりです。
みなさん、ご開業されてご自分の病院を持たれている方が多いですし、
40代・50代の先生方の割合が多く、
「私がまじって大丈夫なのだろうか」と引け目を感じることもありましたし、
「第一印象、こわかったよ(笑)」と同級生の先生のおっしゃったとおり、
心に壁をつくっていたのです(ATフィールド?!笑)

今年、自分にとって転機の年になると思い、「自分を変えよう」と
自分のやっていることを積極的に言おうと思い始めました。
同級生の先生方にも開業する旨を伝えたところ、思ってもみなかった
「若いのにいろいろ考えてるのね~!がんばって!」とか、
「先生は自分でやっていかないと」とか、前向きな言葉をいただきました。

人生の先輩方から見たら、きっと若いうちの葛藤さくらいにしか思われないかもしれないですが、
私にとっては今までで1番大きな決断だったと思うのです。

そして、卒業式後の懇親会では、余興の「ようかい体操第一(by妖怪ウォッチ)」改め「マコモ体操第一」を楽しく皆で踊れたのが、本当に面白おかしくて、やっと私も学年の先生方の一員になれたかなーという感じでした!

研究科に進まれる先生方、これからの1年、またよろしくお願いいたします☆


人生の選択は、いつでも自分の手にかかっている って言うけど、
意識的に「こうしたい」「こうなろう」と選択すると、
壁にぶつかったり苦い思いをしたりすることが多いです。
人間は新しいことをする人に、あまり良い顔をしません。
それが若くて、女だとなおさらです。

でも、自分の人生だから、自分の決めたことを自分のペースで
心をこめて ひとつひとつやっていくしかないと思います。
自分の幸せに責任をとれるのは、自分しかいないからです。
ひとのせいにできません。
なんて、エラそうなこと言ってみました^^

私は今、お金もないし、これから借金もするし(融資のこと。笑)、毎日バタバタで不調なときも多いけど、
今が一番、自分らしいと思います。

そして、いつもそばで支えてくれ、ようかい体操をなぜか率先して練習し始めてくれた旦那さま(笑)に感謝しています!ありがとう!


2014年9月27日土曜日

目覚めよ!私の脳力

昨日今日と、赤坂のホテルニューオータニで行われる、獣医さんや動物看護師さん、一般市民の方向けの大きなセミナー(年次大会という。)に参加してきました。

国内外の様々な大学病院や専門家の先生たちの、病気の最新の診断法や治療法を学べるフォーラムで、関連企業のブースもたくさんあったり、ちょっとしたお祭りみたいなかんじもします。

いやぁ、私はこういう所がほんとに苦手で仕方ないんですけど!(笑)
やっぱり「グローバルスタンダード」がどのようになっているか知る必要があると思い、今年も参加。

動物の西洋医学も、CTやMRIはもう一般的、再生医療も出てくるくらい、どこまですすんでいくのかしらと すでに頭いっぱい胸いっぱいな状態。お腹は空きました。。

でも、開業を決意して、自分の専門分野を活かしてお仕事をしていこうと腹をくくってから、以前のようには、「セミナーが終わった頃には完全に意気消沈」というわけではなくなりました。
おそらく、自分の中の治療方針の軸が固まりつつあるからでしょう。

もちろん、今日のような動物病院の先生やスタッフが集まるセミナーでは、中医学(鍼灸や漢方)は一切出て来ませんよ。
数字やエビデンス(簡単に言うと、この治療は効果がありますよ、という科学的根拠)があるものしか、出てきませんから。

自分はあえて、そういう数字やデータで表せないものの専門家になろうとしているのです。
これも立派なチャレンジよね!と自分を鼓舞。
自分の治療で元気になってくれる動物や飼い主さんがいるのを思い出して、自分にできることを心をこめて毎日コツコツ、です(^^)
ローマの道も一歩から。

明日は、日本獣医中医薬学院の本科の卒業式です!楽しみです(^ν^)




2014年9月24日水曜日

花が咲きました

飼い主さまからいただいたローズマリーに、花が咲きました!


アロマやハーブの勉強をしたことがありますが、
実際に花が咲いたところを見るのは初めてかもしれません。小さくてかわいい!
私は植物を育てるのが得意ではありませんが、
このローズマリーさんは我が家の玄関前で元気に育っています^^

今日はお師匠様の鍼灸院に鍼灸治療を受けに行ってきました。

自分がどうぶつに鍼灸をするときは、飼い主さまに、終わった後の様子を
「温泉から出たあとみたいなかんじです」
とお伝えするのですが、
(からだがぽかぽかして、鼻水とか涙とか出やすくなるし、眠くなるので)

自分が鍼灸をしてもらうと、自分の身体が変わっていく感覚が改めてわかります。
勉強になります~~!

今週末は学院の卒業式です。
学院の先生方にお会いできていなかったら、今の自分はなかったとしみじみと思います。
尊敬できる人がいる、というのは幸せなことです。
私もいつかは先生方のような 人も動物も治療できる治療家になりたいです。

誰だって、花を咲かせるときがくる。
そう信じて、めげずにがんばろう。

2014年9月19日金曜日

鍼灸はオプションではありません

久々に熱を出してしまいました。
仕事の間に開業の打ち合わせなどもあり、これは半分知恵熱かもしれません。

それでも、予約してくださっている患者さまがいるので、フラフラしながら老犬クリニックへ出動。こういうときの片道1時間40分は、かなり遠いです(笑)

往診で初めて鍼灸をさせていただく患者さま(老犬)の予約があったので、そういうときは、ますます行かなくてはと思います。
調子が悪い子がお家にいたら心配だし、鍼灸で何か変わるならと半信半疑でも期待してらっしゃると思うので、できるだけ約束通りに現れたいと思うのです。
初めてお会いする患者さんには、より気を遣います。
そして、気を「使って」いるときは、不思議と頑張れる。

鍼灸は、必ずすぐに効果が表れるわけではありません。
今日の飼い主さまにも、「その子によって1回で違いがわかる場合もあるし、数回やらないとわからない場合もありますよ」とお伝えしてから施術しました。

終わったときに患者さんがスヤスヤ寝始めたので、飼い主さまもほっとされたご様子でしたが、
夕方になって元気も食欲も出てきたようで、嬉しいご報告の電話をしてくださったようです。

こういう瞬間があるから、がんばっていられるのだわ〜と、フラフラしながら帰宅。

今日もクリニックに、犬雑誌の取材が来ていましたが、
鍼灸をしているところも、バシャバシャ撮られて(ま、まぶしい…)、
もう少し顔がむくんでないときの方が良かったのに、なんて後で思いました(笑)

記者さんに「気ってなんですか」「なんで痛いのが良くなるんですか」など質問攻めにされ、
時間があるならたっぷり説明したいけれど、一言で言えないのが中医学なんです…と思いつつ、できるかぎりわかりやすくお話ししました。

取材の最後で、またまた患者さんが気持ち良さそうにウトウトし始めたので、記者さんも「やっぱり良いものなのね!」と納得されたご様子でしたが、

昨日はなんだか、鍼灸を物珍しいものとして捉えられ、写真を撮られていたようで、少し居心地の悪い気がしました。

本当に良いものとして自信を持って紹介していただけるよう、中医学を志す者として、また、お師匠様たちが伝授してくださった術式を施す者として、私も努力していかなくては、と思います。

それから、取材などされる方には、できるだけ先入観を持たずに来ていただきたいと思いました。
単にリラクゼーションや贅沢で行っているわけでなく、治療ですから、こちらも本気で良いと思って施術をしています。


とにかく、季節の変わり目で、無理は禁物ですね。
皆さんもどうぶつも、体調には気をつけて。




2014年9月15日月曜日

卒業試験!

こんばんは!

昨日、日本獣医中医薬学院(獣医師の鍼灸・漢方の学院)の卒業・認定試験が終わり、
若干頭がフラフラしております。


2年前から始まった獣医中医学本科も、これで一段落です。
筆記に加え、実技もあり、かなりボリュームのある試験でした。
良い結果が出ると良いけれど。

やっと、学校も終わりかと思いきや!!

実は、鍼灸推拿(スイナ、と読む。)研究科への進学を決めました!!
つまり、3年生になるということ^^
10月からは月1回の授業になります。

推拿って何?
ということについては、おいおいお話するとして!

私の学生生活?!はまだまだ続きます~
友人たちからは、やれやれ、という声が聞こえてきそうですね(笑)


学院では、鍼灸治療を行うことは「道」であると教えていただきました。
「道」って、たとえば「剣道」とか「合気道」とか、「茶道」とか「華道」とか
そういうものについていますが、
中医学も、その道を極めて、それをどうぶつや人のために役立てていく、
そういうものでないと、ただの技になってしまう。

どうぶつもひとも、心が癒されないと、からだも癒されません。
これからも「道」を志していけるよう、精進していきますので、
応援よろしくお願いいたします!

ドッグトレーニングも、アカデミーのスタッフの方々の温かいご配慮もあって、
夫婦で年内の卒業を目指します。
(実は、旦那様も通っているのです^^)

ペットホテルやお預かりなども、トレーナーの知識と技術をもって行っていけるよう
二人で頑張っていきます。


昨日、学院で素敵なポスターが配られましたので、
ひとまずここに載せたいと思います。

私はまだ貼れる場所がないため・・・
来春貼れる壁(クリニック)ができていると信じて!
























猫ちゃんバージョンもあります♪

2014年9月9日火曜日

鍼灸をやっていて良かったと思うとき

今日、老犬クリニックに毎日新聞の記者さんが老犬についての取材に来ました。
私の鍼灸をしてるところも写真に撮ってくださったので、
もしかしたら、私もそのうち手くらい載るかもしれません(笑)

はじめ、老犬とは?から始まり、老化のサインや老犬が気をつけたい病気などの話から、では実際の治療を見てみましょうとなり、

少し鍼灸治療についても私からお話させていただきました。

記者さんも、頭の中が飽和状態になっていそうなお顔でしたが
(「犬に鍼灸…?」というかんじ。笑)、真剣に聞いてくださっていました。
協力してくださった患者さまが施術中気持ち良さそうに寝そべっていてくれたので、良いものなんだな~!と納得されたご様子で、次々と質問をしてくださいました。


鍼灸(中医学)って、プチ贅沢とか、ただリラックスするのが目的ではではなくて(リラックスするのも重要な要素ですが)、治療の一方法なのです。
老犬だけでなく、どんな年齢の子でも(もちろん猫ちゃんでもウサギさんでも…)、生まれ持った体質や、慢性的な病気と闘っている子たちも対象です。

それが一般的な治療法とは根っこにある学問が違うので、ちょっととっつきにくいかもしれないけれど、

その子の持っている力を引き出してあげたり、背中を後押ししてあげる方法なので、
謙虚で写真映えもしないけれど、身体にやさしい。そんな方法です。

今日もうひとつ、鍼灸をやっていて良かったなぁと思えることがありました。

亡くなった患者さまの飼い主さまが、わざわざクリニックにご挨拶に来てくださったのですが、
数回鍼灸をさせていただいた短いお付き合いだったにも関わらず、
「素晴らしい治療をしてくださってありがとうございました」

と涙ながらにお話してくださったことです。
最期まで自分の脚で歩けていた、と、嬉しそうに報告してくださいました。

最期の日に写真館で撮られた写真も見せてくださいました。


私の行っている鍼灸の治療法は、お師匠様たちがそのさらにお師匠様から受け継いだもので、私はその流れのすみっこにいるに過ぎません。

それでも、そんな風に、素敵なご家族とわんちゃんの最期の大事なときに

少しでも力になれたのなら、師匠たちの教えを少しは実践できているのかな、
とても嬉しく思います。
めげずに鍼灸を続けてきて良かったと、報われる思いです。


そして、やはり獣医が病気を治すのではなく、どうぶつがその病気と闘うお手伝いをするものなのだな、と改めて思いました。

そのご家族の素晴らしいところは、最期の瞬間まで、

その子が尊厳ある死を迎えられるように、ご家族でどうするか話し合い、それを貫いたところだと思います。

私は、どうぶつを大事にする人たちと、ご縁のあったどうぶつたちの、

少しでも心に残る獣医さんになりたいです。

2014年9月5日金曜日

歯のおはなし

今日は、個人事業主が確定申告をする際の、
青色申告の方法(どんなことにどれだけお金を使ったり、収入があったかを記帳する方法)についての講習会がありました。
なんのこっちゃ・・・という言葉がいっぱい!
こんな気分は、高3のときの数学Ⅲか数学Cとかの、あの行列とか微積とか何やらかんやらが出てきたとき以来…かもしれません。

さてさて、9月に入ってだいぶ涼しくなってきたと思ったら、

今日はまた蒸し暑かったですね!
私は半月前、一番暑かった時に、親知らずを2本、口腔外科で抜いてもらいました。

親知らずって、20歳ころに生えてくることが多いので、親も知らない、親知らず、なんですってね!
下に生えていた歯は、中途半端に歯肉に埋まっていて、
さらに根っこも生え方もまっすぐではなかったので、
工事みたいにトンカンガガガ・・・と派手にやってもらったのですが、

痛かったのは手術中ではなく、翌日からの見事な顔の腫れでした!!
いや~ひどかった!
口腔外科の先生が、「リスが頬袋に食べ物を詰めてるかんじになるよ」っておっしゃってましたが、
そんな可愛いもんじゃありません(笑)

その顔で往診に行って飼い主さんをぎょっとさせてしまいました(マスクが苦しかったんです。笑)
半月してやっと違和感がなくなってきました。ほっ


どうぶつも、歯周病になるのは同じです。
人とどうぶつのお口の中の環境は少し違うので、人よりもはやく歯垢が歯石になります。
柔らかいものばかり食べている子や、老齢の子、
さらに、大型犬よりも小型犬の方かなりやすい、など、
そういえば、うちの子もお口が臭うかも!ということは結構ありますよね。

本当は歯磨きしたいけど、難しい・・・という子には、
歯磨きガムや歯石が付きにくくなるフードもあります。

また、ロープなどで引っ張りっこをするのも運動にもなるし、良いと思います!










(旦那さんと元気に引っ張りっこ中)


低い姿勢での引っ張りっこは、前あしの筋力アップ、
首が高めの位置での引っ張りっこは、後ろあしの筋力アップになります。

この方法だと、いちばん歯石が付きやすい奥の臼歯(大きい歯です)でも噛むことになるので、
適度にやってあげると良いですね。

いくつになっても噛みたい気持ちは強いもの。
小さくちぎって飲み込まないようなおもちゃを、様子をみながら与えてあげることで、
わんちゃんにとってはストレスも発散できますね。

ぜひおうちの子のお口にお互いストレスなく触れるように練習して、
綺麗な歯を保ちたいですね!


2014年9月1日月曜日

開業プロジェクト、始動です!

テナントが決まりましたので、発表します!

来春2月を目標に、夫と動物病院を開業します。

羽村駅近くです。
もっと言うと、ミスタードーナツの近くです(納得される方多いと思います。笑)
遠めのところからでも来てもらいやすい立地だと思います(^^)

今まで通り鍼灸•漢方治療や往診、老齢の子のケアに力を入れていきます。

トリミング、しつけ、ペットホテルも行う予定です。

たくさんの方に励ましやアドバイスをいただき、家族に支えてもらって、

建屋を構えての開業の決心をし、ここまで進められました。

ますます大変なのはこれからですが、

できることを精一杯やっていきますので、何卒よろしくお願いします☆



ちなみに、面談や打合せ等、どこへ行っても「え、この姉ちゃん獣医なの?」的な反応ですが(笑)、
それもまた自分の持ち味(?心配せずとも歳はとる)だと思って・・・活かしていこうと思います。

融資の面接の際、「やっていく自信はあるんですか」と2回も聞かれました。

誰かの口車に乗せられたわけでもあるまいし、自信がなくて開業を決心するだろうか…と思いつつ、
この場合は、「どれだけやる気あるんですか」
という意味だと思ったので、
「あります!!」 と答えてきました。

自信って、なんでしょう。

他の先生と同じようにやっていく自信はありません。
すべて自分の力だけでできると思っていません。
不安だし、ときどきお腹がキリキリ痛くなります。

でも、自分を信じる力はあります。自分のやっていることにも信念があります。


だから、この不安定な状態でも、「私はこういうことをしています」と勇気を出して言っていこうと思います。




2014年8月27日水曜日

まず、知ろうとすること

今日の往診は、大学時代の友人の獣医師が見学に来てくれました。

どんな様子で往診や鍼灸をしているのか、ちゃっかり保定(どうぶつも人もケガをしないようにどうぶつを支えること)も手伝ってもらいながら、見てもらいました。
初めてにも関わらず、すっかり飼い主さまたちとも馴染んでいてさすがです!(^∇^)
快く迎えてくださったご家族と患者さまにも感謝です。
ありがとうございました。

「こんなことをやってる人がいるんだなぁ」とか、「こんな方法もあるんだ」とか、
いつもいる世界から一歩出てみると、一気に視点が自由になったりするんですね。
自分の中でこだわっていたことが実はそれほど大きな問題ではなかったり、
逆に自分が大事にしたいことがわかってきたり、頭の中がミックスされてから次第に整理されていく感じです。

まずは見ること、知ること。
そこから自分で取捨選択していけば良いのかな、と思えるようになってきました。


さて昨日は、ドッグトレーニングスクール主催のセミナーに参加してきました。

スウェーデンのドッグトレーナーで動物行動クリニックを運営されているヴィベケ・S・リーセさんと、スウェーデン在住の動物レポーターでドッグトレーニングの本の翻訳などもされている藤田りか子さんが講師でした。

犬の「気質」…簡単に言うと、遺伝する性格(厳密には違いますが)について、
スウェーデンでどのようにテストが行われているかや、犬がストレスを感じるとどのような行動が現れるかなど、日々の診療にもすぐに活かせそうな内容でした。面白かったです!

そういえば、昨日初めて診察させていただいたチワワさんも、初めは身体がカチンコチンで緊張し、突然、噛んできたりしましたが、鍼灸をするうちに、みるみる目がとろ~んとして体も緩んできてくれました。
わかりにくかったけれど、はじめは、こわい!というシグナルをガンガン出していたんですね。
病院や診察台の上での恐怖心や、そこからくる攻撃行動は、今までたくさんどうぶつにとっての恐い思いをしてきて、もし良いことがひとつもないような状態だったら、当然のことでしょう。
それをどのように緩ませてあげるか、日々模索中です。

セミナーを聴いて、
犬の気質について理解することの大切さを痛感しました。
その犬種がどんな仕事をするためにつくられてきたのか理解することは、私たちが今お家で一緒に暮らしている犬たちの行動をより良く理解することにつながります。

例えばレトリーバーだったら?テリアだったら?
犬種によって、例えばおやつに対する熱心さも変わってきたりします。
人が問題だと思っている犬の行動も、犬としては当然ということもたくさんありますね。


人もどうぶつも楽しく暮らせるように、今お家にいるどうぶつたちのこと、もう少し深く知ってみましょう。きっともっと好きになると思います!



2014年8月24日日曜日

「気」ってなんでしょう


日々、診療を通して、貴重な体験をさせていただいております。
貴重と言っても、特別難しいことをしているわけではないのですが。

鍼灸治療をするに当たっては、まず今までのその子の歴史を全部お聞きして、
飼い主さんの悩みもお聞きして、その子の苦しいところを あぁかなこうかな って考えていくわけです。
きっと、神レベルのお師匠様方だと、ちょっと聞いただけ、脉をみただけでも診断できてしまうのでしょうが…^_^;

そうやって治療を進めていくうちに、自然と色々なお話をするようになるので、
私自身のことも話したりしますし、飼い主さんのどうぶつに対する思いも聞けたりして、
私もとても勉強になるのです。
その子の表情の変化や、もちろん飼い主さんの雰囲気の変化もわかるようになってきます。
私にとっては、それが貴重なことです。

「病は気から」と言いますが、本当にそうなのですね。
中医学でいう「気」というのは、
生命を構成する基本物質のひとつで、私たち生き物が生きていくのに必要な、高いエネルギーをもつものです。
からだの成長や発育を促進するのも、からだを温めたり、例えば風邪をひかないように守ったりするのも、気の働きです。

目に見えないもの、数字で表せないものを全く信じないという人もいますが、
人を好きになることも、気持ちが通じ合って嬉しかったりすることも、「あの人にはオーラがあるね」と言ったりすることも、
私たちの日常は、目に見えないものばかりです。それを体感しながら、一方で否定するのはおかしくないでしょうか。
医療も、同じなのではないでしょうか。

もちろん、例えば怪我をして、きちんと消毒をしてお薬を飲めば治るよ、というものだったら、消毒をしてお薬を飲んでしまえば良いのです。

ただ、そういうことだけでは癒されないものがこの世界にはたくさんあると思います。

理論や数字に傾き過ぎな頭を、もう一度柔らかくする必要が、私たちにはあるようです。

こんな話ばかりしていますが、治療の際に高価な壺(?)とか売ったりしてませんから、ご安心ください。
宗教じゃありませんから(笑)

それに、日々一般診療の自分の未熟さも痛感しているので、そちらも精進していきます!

2014年8月20日水曜日

言葉にしてみよう

少し涼しくなったと思ったら、また暑い日が続きますね~!!

昨日は、以前お世話になった獣医師の先生が一昨年ご開院された動物病院の見学をさせていただきました。
私に診療の基礎を教えてくださった先生です。
相変わらずのサラッとした雰囲気で(見習いたいですね~)、サラッと背中を押してくださいました。

このブログも、いろんな方に
「読んでるよ~」とか「楽しみにしてるよ~」なんて言っていただけると
ほんとうに嬉しくなります。

自分の真剣な考えを言葉や音にして出すというのは、勇気のいることです。

批判されたり、「それは間違っている」と言われる可能性もある。
それでももし、小さな共感や、「そういえば」みたいな小さな気づきを誰かが持ってくれたら、
それはとても嬉しいことです。
そうやって、目に見えないエネルギーは伝わっていくのだと思います。

改めて、自分は周りにたくさん助けられて生きている、と感じる日々です。



さて、今日は薬膳を意識した夕ごはんその2。
かぼちゃ入りのハンバーグと麻婆茄子にしてみました~

飼い主様にいただいたナス、旦那さんの実家でとれたかぼちゃ など
食卓も周りの施しでかなり助かっている次第(笑)

私はお世辞にも料理が得意とは言えないですし、
同世代の女子たち(時に男子たち)がFacebookなどにつくった素敵なお料理を載せたりしているのを見ると
「女子力(主夫力?!)高いぞ~!」とつくづく感心してしまうのですが、
私は夫(と犬)が おいしい と言ってくれるので それでよし。^^

ちなみに、前回の薬膳の記事の際も、ハトムギ と書きましたが
学院の薬膳の先生に教えていただいたのが、 ハトムギ粉 です。
ハトムギは、漢方でいうと「薏苡仁(ヨクイニン)」です。
むくみをとったり、胃腸の働きを良くする働きをしてくれます。

「健康食品のお店などで買うと安いですよ」 ということで、
探したのですが見つからず、結局Amazonで購入。

香ばしい香りです。今日はハンバーグに練り入れてみました。

人用には少し味気ないハンバーグになってしまいましたが、
ウィルはモリモリでしたね~

かぼちゃも健脾の働き
なすも血行促進
と、それぞれいろんな良い作用があるのですね!

ふだん自分から買わない野菜なども、良いところを知ると以前より好きになったりします。

犬も人も夏バテをしないように、無理せずいきましょう~!



2014年8月16日土曜日

滑らない話

先日、ウィルのいるお部屋の 床の滑り止め対策をしました。

敷いていた滑り止めマットがボロボロになってきたため、張替えを行ったのでした。

どうぶつにとって、フローリングで滑ってしまうということは、大変な足腰の負担になります。
関節を傷めてしまったり、椎間板ヘルニアのような病気を引き起こしたりします。

若い子でも歳をとった子でも、滑るのが良くないのは変わりません。


ホームセンターなどでも、ペットの滑り防止用のマットの種類が増えましたね〜!
ケージの下に敷けるようなものから、自分でカットするタイプなど様々です。

どうぶつに対する意識の高まりを感じます。


こういうものを使ってみました。












↑木目調のシートですが・・・
↓拡大すると小さなピラミッドがたくさん並んだ形をしています












今回が何回目かの張替えだったにも関わらず、
(そして、旦那さんに手伝ってもらったにも関わらず…)
チョキチョキペタペタしていたら3時間半もかかってしまいました!!
でもおかげで良いグリップです♪

他にも、面積に合わせて組み合わせて張るコルクマットや、人用のヨガマットも、
簡単に使えて便利です。


張替えの間中、ウィルはうつらうつらしながらなんとか一部始終を見守っていようと、
がんばって目を開けて、大きな顔で作業をのぞきに来たり(応援という名の邪魔)
…やっぱりお歳なので、途中で寝てしまったりしていました。

それに加えて、ウィルくん、9年ぶりの爪切りもしました!

爪が長いと、床滑りや爪折れなどの危険があります。
歩いているときに爪がカチカチなったりしていませんか?それだと爪が伸びている証拠です。

最近、歩くのもゆっくりになって 距離も短くなったため、
今までお散歩で自然に削れていた爪が、徐々に伸びてきていたのでした。

9年前、ウィルをお家に迎える際に張り切って買った超大型犬対応の爪切り(何かの工具みたいにゴツいです。笑)が、再び陽の目を見たのでした!


自分の部屋の片づけなどはいつも後回しにまってしまう私ですが、
愛犬のことになると、行動が早い(笑)

犬や猫は、私たちの何倍も速く歳をとります。
「そのうち」と思っていることを、やらずに後々後悔するより、
明日、やってあげませんか。






2014年8月12日火曜日

何になりたいの?


私は獣医師ですが、
自分が何になりたいのか実はまだよくわかりません。
「何になるか」というのは、「何て呼ばれるか」とは違うこと。「ひととして、どうなりたいか」ということです。

動物が好きだけれど、「動物の病気」が好きなわけではない。つまり、病気だけ相手にしていたいわけではない。
知ることは好きだけれど、勉強だけできれば良いと思わない。学校の勉強ができても、ひととして未熟な人間はいる。

はっきりわかっていることは、
自分の得たものを、
自分の力の及ぶ範囲、
自分の背伸びしない範囲で
動物とひとに還元したいということです。
ここで言う「得たもの」とはセミナーで得た知識とか、習得した技術だけではなく、
自分が感じてきたこと、
直感として正しいと思うこと
全て含めてです。

私はまだ若いので(20代ですから、人生の先輩方から見たら、まだ若いのです)
私の中にあるものなど、まだまだ少ない。
ひとの役に立つかどうかもわからない。

ただ、大学生の時に、恩師が私に教えてくださいました。
その人の人生には、何か必ず、お務めとして成し遂げることがある、と。

それに気づくか気づかないかで、人生の意味は大きく変わってくるといいます。

私はまだ、気づいてはいません。
探している段階です。

探さなくても、生けていけます。その方が楽かもしれません。ただ、探さないと苦しい人種もいるのです。

そして、自分を構成する要素になるようなものが、少しずつ見つかると、幸せを感じられるのです。

こういうことを考えていると、大抵変なヤツとか、面倒な子とか、病んでいるヒト、なんて思われてしまうのですが、
私はとても大事なことだと思います。
それに私は今自分をとっても健全だと思っています(笑)


苦しみの中で自分を見つめる時、ひとは成長するのだと、
その後には必ずキレイに磨かれたものが自分の中に残るのだと
今なら言えます。

だから私は獣医師である前にひととして、
自分にできることをやっていきます。




2014年8月8日金曜日

ウィルです。

病院の名前にも採用した、
愛犬ウィルについて、ご紹介します。















バーニーズマウンテンドッグの男の子 9歳

好きなこと:車でお出かけ! 人の足の上に座ること。
嫌いなこと:せかされること(つまり、とってもマイペース。でも、気遣いなところも)・・・誰に似たんでしょうか。

小さいころからペットと泊まれるペンションに一緒に泊まったり、
ゴンドラリフトに乗ったり、気球に乗ったり(!)

いろんな体験を一緒に共有してきました。
かけがえのない家族です。

超大型犬ですから、9歳は、けっこうなお歳です。

以前から弱ってきていた脚ですが、3月には一度立てなくなり、おしっこやうんちの介助を母と二人がかりでしたり、
旦那さんに手伝ってもらってお家で採血をしたり、
いよいよ介護か!と思っていましたが、
お薬と、マコモと、マメなお灸で、立てなかったのがウソみたいに元気にお散歩しています。
でも、やっぱり、最近はまた、えっちらほっちら、歩くようになってきました。
それでも、気持ちは元気ですね~
気持ちの元気って、表情に表れますね!


元気になった記念に、一緒に写真を撮りにいきました。
今は、わんちゃんと一緒にスタジオで記念撮影できるところが増えていますね!

このブログで使っている写真も、そこで撮ってもらったものです。
http://410319.blog98.fc2.com/
















↑全然似合わないけど、うきわをかぶせてみたら、ちょうど良い顎のせに(笑)

















↑自分が映ることをあまり考えずに超私服で行ってしまいました(笑)
それにしても、並ぶと大きいなぁ!


犬で人生が変わることってあります。
ウィルは、私の人生にとって大切なことをたくさん教えてくれる、神様の使者のような存在です。
ときどき悪魔みたいに小憎らしく感じることもあるけれど、この子と最期まで責任もって一緒にいてあげたいです。
ずっと一緒だよ。

2014年8月5日火曜日

読書感想文です

読み終わりました。







「面白い」という内容ではないのに、
時々、クスッと笑ってしまう。
「そうそう!」とか「だからか〜」と、同調したり納得したりしっぱなしでした。

この本には、女性が働いていく上での、世間的(と言っても、世界レベルでの世間)な偏見や障害、男性だけでなく女性自身が陥りがちな先入観などとどう向き合っていくか、著者や多くの女性の体験を元にリアルに書かれています。
これから組織のリーダーを目指す女性、自分にはリーダーなんて無理と思いながら働いている女性、仕事を諦めた女性、専業主婦…(つまり全ての女性)と、もちろん、全ての男性向けにハッキリとしたメッセージを発信しています。

私も、どれだけ目が覚めたことか。
私は大学時代、女性として働いていくということをあまり意識していませんでした

それが、初めに勤めた病院を経営する会社に面接に行ったとき、その面接官に質問はあるかと聞かれたので、
「この会社は産休や育休などはどうなっているのですか」と質問したところ、
「プライベートなんか捨てて仕事だけに集中してなさい」
と言われました。
その後、その面接官が、私のことを「生き急いでいる」と言っていたと伝え聞きました。

残念でした。
獣医師は、勤務時間的にも体力的にもキツイし、はじめの3年間は「研修医」扱いですから、とにかく仕事に打ち込んで技術と知識を磨くというのは、納得できることです。

しかし、女性が生きていく上で、不安となる結婚や出産について、聞くことのどこが「生き急いでいる」ということになるのか。女性に優しい職場を目指すのではなかったのか。
獣医は仕事だけしてれば良いのか。
それで身体を酷使し心も病んで、辞めていく獣医がいるのに、いろんな病院で同じことが繰り返されている。それで良い治療ができるのか。

この本を読んで、同じような傾向が、世界的にどんな社会でもあるのだということがわかりました。
またそれが、男性から女性への差別だけでなく、専業主婦から働く女性への差別、またその逆と、女性同士でも起こりえるのだと知りました。

私は、偏った献身や犠牲をせずに、家庭を大事にしながら、誰に対しても罪悪感を感じずに働き続けたいと、心から思います。
そして、自分とは違う選択をした人を、今度は自分が貶めるようなことは絶対にしないようにしようと、この本を読んで改めて思いました。



思い出しトゲトゲしてしまいました(思い出した事柄に対して、心がトゲトゲチクチクすること)
トゲトゲすると、大抵批判したがる人が出てくるのであまり出さないようにしているのですが、
私のような働き方もあるのだと、「一般的」からはみ出してしまった私から、言うことにも何か意味があるかと思い書いています。

これは、理想というより、己をなかなか肯定できない自分への喝です。

次回は、もっと楽しい内容にします(笑)